HR-V GH2 エンジンルームから異音!Vベルト3本とクランクプーリ交換 修理代42,215円

車種:ホンダ / HR-V
型式:GH2 走行距離:369,320km
入庫:カー用品店 / 2024年8月

HR-V GH2 Vベルト3本とクランクプーリ交換42,215円の実際の整備明細書
実際の整備明細書より(個人情報・整備工場名の記載部分は除いています)。画像をタップすると拡大できます

状況:エンジンルームからの異音。走行距離は369,320kmで、37万km近い。

交換されたのはVベルト3本と、クランクプーリだった。3本の内訳はファンベルト・パワーステアリングベルト・クーラーベルトである。

掛かった金額は・・・

 

42,215円

 

42,215円の中身

作業・部品 品番 金額 区分
Vベルト全数取替 6,160円 工賃
ファン・ベルト 4PK800 2,013円 部品
パワーステアリング・ベルト 4PK845 2,266円 部品
クーラー・ベルト 4PK845 2,266円 部品
クランク・プーリ取替(参考指数1.2) 9,600円 工賃
クランク・プーリ 13810P2KJ01 19,910円 部品

 

作業工賃計15,760円、部品代計26,455円で整備費用合計42,215円。諸費用もその他も0円なので、ご請求金額もそのまま42,215円である。

なお、この伝票には消費税の行がない。集計欄にあるのは、作業工賃計・部品代計・整備費用合計・諸費用合計・その他・ご請求金額に加えて、手数料他・自賠責保険・重量税・法定手数料である。そのどこにも税額を書く欄がない様式で、各行の表示額をそのまま足すと請求額に一致する。

この明細書は「原因」を書いていない

先に、この記事で断定できないことを書いておく。

この伝票には、何が異音を出していたのかが書かれていない。作業名と部品名と金額だけである。ベルトが原因だったのか、クランクプーリが原因だったのか、両方だったのかは、書類からは決められない。

そして、それがこの症状のいちばん厄介なところでもある。

クランクプーリの劣化は「ベルト鳴き」とよく似た音になるとされる

クランクプーリは、エンジンのクランクシャフトの先端に付いていて、ベルトを回している側の部品である。多くのものは、内側の金属と外側のプーリー部の間にゴム(ダンパー)を挟んだ二重構造になっている。エンジンの回転の脈動を吸収するためである。

このゴムは経年で硬化し、接着が剥がれてくる。整備の解説では次のように説明されている。

  • 長年の使用でダンパーラバー部とウエイト部に隙間ができ、ゴムが硬化して接着部が剥がれる(緑整備センター)
  • ベルトの張りが正常で劣化の徴候も見当たらないのに「ベルト鳴き」——いわゆるキュルキュルという音——のような異音がしたら要注意(ベストカー)
  • 進行すると、劣化したゴムが衝撃を吸収しきれず、プーリーの金属部に金属疲労が蓄積して破断した実例がある(NISMO。スカイラインGT-R BNR32の事例)
  • ちぎれた場合はベルトが外れ、発電が止まるとされる(MHO ENGINEERING)

つまり、音を聞いただけでは、安いベルトの問題なのか、その奥のプーリーの問題なのかを見分けるのは難しいとされる。この明細書でベルト3本とクランクプーリの両方が同時に交換されていることも、そうした事情と無関係ではないのかもしれない。ただし整備士が何をどう判断したのかは、やはり伝票からは分からない

ベルトを外す作業は、どのみち共通する

クランクプーリはベルトが掛かっている側の部品なので、交換するには、掛かっているベルトを外すことになる。ただしこの車で3本のベルトがそれぞれ何に掛かっていたかまでは、伝票からは分からない

この伝票では「Vベルト全数取替 6,160円」と「クランク・プーリ取替 9,600円」が別々に立っているが、作業としては地続きである。ベルトを外したついでにプーリーを替えたのか、プーリーを替えるためにベルトを外したのかは、伝票からは分からない。

はっきりしているのは、ベルトを3本替えても部品代は6,545円で、クランクプーリ1個が19,910円だということである。金額を決めたのはプーリーのほうだった。

工賃9,600円は、どうやって決まっているのか

クランク・プーリ取替の行には「参考指数:1.2」と印字されている。この「指数」が、工賃の決まり方を示している。

整備の工賃には、部品のような定価がない。作業ごとに決められた標準作業時間(指数)に、その工場の1時間あたりの単価を掛ける——というのが一般的な決まり方だとされる。つまり「その作業にどれだけ手間がかかるか」は作業の側であらかじめ決まっていて、工場ごとに違うのは単価のほう、ということになる。

この行で言えば、指数1.2に対して工賃は9,600円。割ると8,000という数字が出てくる。

ただし、9,600円がこの指数から計算された額なのかは、伝票には書かれていない。同じ伝票の「Vベルト全数取替 6,160円」には指数の印字がなく、検算もできない。税込か税抜かも、消費税の行がないので決められない。この8,000円は、単価の目安として眺める以上には使えない数字である。

それでも、決まり方そのものは押さえておく意味がある。同じ作業なのに工場によって工賃が違うとすれば、変わっているのは指数ではなく単価のほう、ということになるからである。

部品番号から分かること:シビックやインテグラと同じ部品

クランクプーリの品番は13810-P2K-J01

部品販売サイトの適合情報では、このHR-VのエンジンはD16Aとされている。部品販売サイトの適合情報を照合すると、この番号はHR-V(GH1〜GH4)だけのものではなく、シビック/シビックフェリオ、インテグラ、ドマーニ、パートナーにも同じ番号が挙がっている。

つまり「HR-V専用の高い部品」ではなく、当時のホンダの複数車種で共通の部品だと考えられる。ただしこれは部品販売サイトの適合情報であって、ホンダ公式のパーツカタログで確認したものではない。どの型式まで同じ番号なのかは、買う前に販売店で確かめたほうがよい。

いずれにしても、部品番号が印字された伝票が手元にあるから、ここまで確認できる。部品名だけの記録では、そこまで辿れない。

37万kmの車に4万円をかけた、という事実

この車の走行距離は369,320km。初代HR-Vは1998年から2006年の車なので、少なくとも18年以上が経過している。

その車に42,215円をかけている。異音を放置してベルトが外れれば、そのベルトが回していたものが止まる。当サイトには、クランクプーリーが脱落してベルトが外れ、チャージランプが点いて水温が上がった軽トラックの事例もある。

ただしベルトが何を回しているかは車によって違う。この軽トラックはウォーターポンプもベルトで回していたので水温が上がったが、すべての車で同じことが起きるわけではない。それでも、金額の大小とは別に、放置できる種類の異音ではないということではある。

直す?それとも乗り換える?の判断ポイント

37万kmまで乗った車に4万円の整備をするかどうかは、金額そのものよりも「次に何が来るか」で決まる部分が大きい。ベルトで回されている部品——オルタネーター、パワーステアリングのポンプ、エアコンのコンプレッサー——も、同じ年数と同じ距離を一緒に走ってきているためである。

実際、当サイトには28万km台で異音の原因を追いかけた結果、オルタネーターだけでなくウォーターポンプやテンショナーまでまとめて交換して135,190円になった事例がある。今回のHR-Vは42,215円で収まっているが、この距離帯では次の1つが同じ規模になるとは限らない。

異音の段階で見積りを取り、ほかの補機の状態もあわせて見てもらうという考え方もある。まとまった金額になりそうなら、いまの車にどれだけ価値が残っているかを確認したうえで、修理と乗り換えを並べて比べるのも一つの方法である。

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参考にした情報源

※この記事の金額は、入手した実際の整備明細書に記載された額です。HR-V(HRV)GH2の1件の実例であり、相場そのものではありません。同じ車種・同じ症状でも、整備工場や部品の選び方によって金額は変わります。正確な診断・見積りは整備工場でご確認ください。

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