ムーヴの車検代が108,116円!13年落ちの軽で何にいくら掛かったか
車種:ダイハツ / ムーヴ
型式:LA110S(5代目・4WD)
年式:平成25年式
走行距離:113,000km
入庫:民間整備工場 / 2026年5月

実際の整備明細書より(個人情報・整備工場名の記載部分は除いています)
状況:
運転していて困ったことは、何も起きていなかった。提供者の申告でも、体感していた症状は無い。
それでも車検に出したら、ドライブシャフトのブーツが左右とも交換になった。
車検の総額は・・・
108,116円!
13年落ち・11万km超の軽自動車である。この金額をどう受け取るかは、中身を分けて見ないと判断できない。実際の明細書を入手したので、何にいくら掛かったのかを分解する。
108,116円を「法律で決まる金」と「工場で変わる金」に分ける
明細書の請求額は、まず課税・非課税の2つに分かれていた。
| 区分 | 金額 | 性格 |
| 諸費用合計(非課税) | 25,990円 | 法定費用。どの工場でも必ず掛かる |
| 整備料(税抜) | 74,660円 | 点検・整備・部品。工場と車の状態で変わる |
| 消費税 | 7,466円 | 整備料にのみ掛かる |
| 御請求額 | 108,116円 |
つまり10万8千円のうち、約2万6千円は法律で決まっている費用である。工場を変えても消えない(後で触れるとおり、印紙代だけは検査の受け方で数百円変わる)。車の状態によって増えたり減ったりするのは、残りの整備料の部分ということになる。
法定費用25,990円の中身
明細書には3つの項目が並んでいた。
- 自賠責保険 17,540円
- 重量税 6,600円
- 印紙代 1,850円
すべて公式に決まっている金額なので、照らし合わせてみる。
自賠責保険 17,540円は、軽自動車の24ヶ月契約(沖縄・離島を除く)の保険料と一致する。2023年4月の引き下げで2,190円下がった後の額で、この車検を受けた2026年5月時点でも据え置かれていた。
印紙代 1,850円は、内訳を分けると意味が見えてくる。軽自動車検査協会の手数料表では、これは「保安基準適合証の提出(=指定整備工場)かつOSS申請」の場合の額で、検査手数料1,450円+技術情報管理手数料400円の合計にあたる(このうち検査手数料が2026年4月に改定されている)。持ち込みで検査を受けると2,500円になるので、この車検は、指定工場(いわゆる民間車検場)が保安基準適合証を出し、申請も電子で行われたということになる。ただし、認証工場が指定工場に検査を外注した場合も同じ1,850円が請求書に載るので、請求元の工場そのものが指定工場だとまでは、この数字だけでは決められない。
重量税6,600円は「まだ安い方」だった
見落としやすいのがここである。
軽自動車の重量税は車両重量に関係なく定額で、自家用の継続検査(2年分)は6,600円。明細書の額はこれと一致する。ただしこれは13年未満の車に適用される額で、経過年数で上がっていく。
| 経過年数 | 重量税(自家用・2年分) | 差額 |
| 13年未満 | 6,600円 | — |
| 13年経過 | 8,200円 | +1,600円 |
| 18年経過 | 8,800円 | +2,200円 |
※エコカー減税の対象になる車は、13年未満でもこれより低い額になる。この車は明細書どおり6,600円である。
ややこしいのは、年式でいえばこの車はすでに13年目に入っていることである。重課の判定は「初度検査からの経過年数」で行われるので、同じ平成25年式でも、2013年5月までに初度検査を受けた車なら、この時点ですでに13年を超えている。この明細書が6,600円である以上、この車は2026年5月の時点ではまだ13年を超えていなかった、ということになる。初度検査年月は今回の明細書には写っていないので、年式だけを見て「うちもまだ6,600円のはず」とは判断できない。
裏を返せば、次回の車検(2028年5月ごろ)では確実に13年を超える。重量税は8,200円になり、1,600円増える。
そしてもう一つ、自賠責保険は、2026年11月1日以降に始まる契約から18,660円である。この車検で払った17,540円より1,120円高い。2028年の車検はこの日付より後なので、重量税と合わせて法定費用は2,700円ほど増える計算になる(それ以降にさらに改定があれば、その分また変わる)。
1回あたりの額としては大きくないが、「乗り続けるほど固定費が上がっていく」段階に入ったことを意味する。
整備の中身:症状が出ていないのに46,684円
整備料74,660円(税抜)の中身は、3つに分かれる。
| 区分 | 金額(税抜) |
| ドライブシャフトブーツ関係(下の表) | 42,440円 |
| ベルト類・ワイパーラバー・リヤブレーキ清掃調整 | 13,720円 |
| 明細書に写っていない部分 ※ | 18,500円 |
| 整備小計 | 74,660円 |
※この明細書は2枚組で、今回入手した写真には1枚目の上部が写っていない。18,500円は明細書に印字された金額ではなく、整備小計74,660円から写っている行をすべて差し引いた残りである。24ヶ月点検の基本料などがここに入ると思われるが、内訳は確認できていない。
このうち金額の柱になっているのが、ドライブシャフトブーツとロアボールジョイントブーツの交換である。
| 作業・部品 | 金額(税抜) |
| フロント・ドライブシャフトブーツ取替(技術料) | 11,000円 |
| ブーツキット 右アウタ | 7,800円 |
| ブーツキット 左アウタ | 7,800円 |
| フロントロアボールジョイント ダストブーツ取替 左右(技術料) | 14,300円 |
| ロアボールジョイントブーツ 2個 | 1,540円 |
| 小計 | 42,440円(税込 46,684円) |
冒頭に書いたとおり、運転者は何の症状も感じていなかった。ドライブシャフトのブーツについては、破れを放置するとジョイント部に雨水が入ったりグリス切れが起きて、ガタや摺動不良から走行中の異音につながる、と一般には説明されている。異音は、中のジョイントまで傷みが進んだ段階のものということになる。
なお、この明細書にはブーツがどういう状態だったかまでは書かれていない。分かるのは、車検の点検で左右とも交換対象になったこと、そして運転者は何も感じていなかったこと、この2つである。
つまりこれは症状が出るより前の段階で見つかった整備だということになる。当サイトには、音が出てから入庫したタント(L305A)の事例もあるが、そちらはブーツでは済まずドライブシャフトごと交換になっている。
整備料の内訳表にあった13,720円は、Vベルトの全数取替とファンベルト・クーラーベルト、ワイパーラバー3本、リヤブレーキの清掃調整、それにショートパーツ1,000円である。いずれも明細書には交換の理由が書かれていないが、年数や使用で劣化していく類の部品である。
整備士が書き残した一文
この明細書で一番価値があるのは、金額ではなく備考欄かもしれない。
まず、客と相談して今回は見送った作業が3つ明記されていた。エアコンフィルター取替、ラジエータキャップ取替、タイロッドエンド・ダストブーツ取替。全部やれば当然もっと高くなる。この108,116円は「満額」ではなく、客と相談して削ったあとの金額だったということである。
そしてもう一行、こう書かれていた。
「オルタネーターのプーリーに錆が有ります」
これは今回の請求には1円も入っていない。明細書に書かれているのはこの一文だけで、「だから壊れる」とも「交換したほうがいい」とも書かれていない。整備士が見て気づいたことを、そのまま残してある。
ただ、オルタネーターは止まれば発電できなくなり、バッテリーが上がって走行不能になる部品である。この一行を、次の車検までに様子を見ておく箇所として受け取るかどうかで、先の出費の見え方は変わる。
13年落ち・11万kmの軽で、車検が10万円を超えたら
今回の10万8千円は、症状が何も出ていない状態で掛かった金額である。ここが判断の分かれ目になる。
– 法定費用25,990円は毎回必ず掛かり、2028年の次回は重量税の重課と自賠責の改定で2,700円ほど上がる
– 今回見送った3項目(エアコンフィルター・ラジエータキャップ・タイロッドエンドのダストブーツ)は、この108,116円には入っていない
– 明細書には「オルタネーターのプーリーに錆が有ります」という整備士のメモが残っている
2028年の車検が今回より安く済むと考える材料は、この明細書の中には無い。一方で、この年式・この走行距離の軽自動車にいくらの値が付くのかは、調べてみないと分からない。次の車検までの2年間に掛かりそうな金額と、今売った場合の金額を並べてみないと、直して乗り続けるのが得かどうかは決められない。愛車の今の価値を確認してから判断するのも一つの方法である。
この修理代を払って乗り続けるか、乗り換えるか。
今の愛車に、いくらの値が付くのか確認してから、検討するのも良いと思います。
先に修理をしてしまうとその修理代は戻ってきませんので検討は慎重に行いましょう。買い取り業者の多くは、自前や提携の工場で修理します。そのためあなたが払った修理代が買取額にそのまま乗るような評価はしてくれません。。直した直後に手放すことになれば、その差額分を損することになってしまいます。
愛車が売れる値段を知ってから決めても、遅くはありません。
ネット査定なら無料で、今すぐ調べられます。
気になった方はこちらから
愛車の査定額を調べる↓
参考にした情報源
- 軽自動車検査協会「継続検査(車検)」(検査手数料・技術情報管理手数料)
- 軽自動車検査協会「自動車重量税」(13年経過・18年経過の税額)
- 財務省「自動車重量税の概要」(軽自動車の税率)
- 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」(2026年5月時点で適用されていた料率)
- 損害保険料率算出機構「2026年4月30日 金融庁長官への届出」(改定の適用は2026年11月1日始期分から。軽自動車・24か月の17,540円→18,660円は、同ページから開ける基準料率表(PDF)による)
※本記事の金額は、実際の整備明細書1件にもとづく事例です。同じ車種・年式でも、整備工場や車両の状態によって金額は変わります。正確な見積りは整備工場でご確認ください。法定費用は2026年5月時点の額です。
タグ:車検
