CR-V 坂道発進で前輪がスリップ!リアルタイム4WD故障の原因と対策

車種: ホンダ / CR-V
型式: DBA-RE4
年式: 平成20年8月
走行距離: 96000km

CR-V 坂道発進で前輪がスリップする

症状

坂道からの前進発進加速時フロントタイヤがスリップしてキーキーと頻繁に鳴いて耳障りであることと共に、周囲から注目されて恥ずかしい。

 

掛かった修理代は・・・

133,552円!

 

整備内容

タイヤが頻繁に鳴くのは前後のタイヤに標準以上の回転差が生じているからである。診断はこの回転差が生じる要因を詰めて行けば良い。
タイヤは前後共に、同一銘柄の同一サイズである。
この車両は前輪駆動を基本として必要な時に必要な分量だけ後輪に駆動力を伝達するリアルタイム4WD制御機構を備え、リヤデファレンシャル部と駆動のための制御を一体化したDPS(デュアルポンプシステム)を採用している。

DPSは前輪用と後輪用の二つの油圧ポンプを持ち、ここで発生した油圧が湿式多板クラッチに掛かる。前輪と後輪の間に生じる回転差を利用して、回転差が大きい時に二つのポンプに油圧を発生させてクラッチのつながり具合を制御することで、4WD走行のために後輪に伝える駆動力を走行状態に応じて変化させている。

前輪と後輪の回転数が同じで空転がない時はフロントポンプのオイル吐出量とリヤポンプのオイル吸入量は同じなので、クラッチを押し付ける油圧は発生しないので後輪は駆動されない2WD走行である。

以上の構造を念頭に置いて坂道発進、つまり4WD走行が必要な勾配のある所での加速時タイヤが空転するのは、DPSの機能劣化によりクラッチが滑っていることになると、理論に基ずく推測を頭に描いた。

よって【DPS機能点検】へと駒を進めた。その方法は、前進発進加速時・後退発進加速時・前進減速時・後退減速時の四つの条件を想定しての点検である。

症状の発生条件は前進発進加速時なのでここから始めた。その内容は、
1.車体をリフトアップして4輪を地上から浮かす。
2.プロペラシャフトにマーキングをする。
3.エンジンを始動して暖機後、アイドリング状態でATミッションのセレクトレバーを 1 ポジションにシフトする。
4.パーキングレバーを強く引き、フートブレーキを放してプロペラシャフトの10回転当たりの時間を測定する。
5.判定基準:10回転当たりの時間が10秒以上:OK
10秒未満:NG

結果は8秒となり、前進発進加速時4WD走行システムの機能劣化が認められた。
機能点検の前に確認したDPSF(デュアルポンプシステムフルード)の状態は、量は正常だが臭いがややきな臭かった。

この状況で採る方法は、トルク・コントロール・デファレンシャル(TCD)ケースキットの交換となる。
部品交換を終えて、デュアルポンプシステム・リアルタイム4WDの機能も復活した。

修理費用(工賃、部品代)の内訳

部品名

単価(円)

数量

金額(円)

交換工賃(円)

TCDケースキット

106,100

1

106,100

16,000

DPSフルード

1,300

1.2L

1,560

部品代合計

107,660

交換工賃合計

16,000

 

修理代合計(税込):133,552円

 

この修理代を払って乗り続けるか、乗り換えるか。

今の愛車に、いくらの値が付くのか確認してから、検討するのも良いと思います。

先に修理をしてしまうとその修理代は戻ってきませんので検討は慎重に行いましょう。買い取り業者の多くは、自前や提携の工場で修理します。そのためあなたが払った修理代が買取額にそのまま乗るような評価はしてくれません。。直した直後に手放すことになれば、その差額分を損することになってしまいます。

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